脳は睡眠中に、記憶の整理を行い、脳神経細胞のつながりを強化したり、
調整していることがわかっています。睡眠時間が短いと老化が早く進みます。
理想の睡眠時間は七時間とされていますが、六時間や五時間でもその人の
体質により適度な時間というのは違います。五時間睡眠でも、脳のメンテナンスは
十分になされている場合も多いのです。
睡眠時間が短いと認知症リスクが上昇
ただし、子供の脳の研究では、睡眠時間が多いほうが、海馬の体積が多いと
判明しています。子供の場合、短すぎる睡眠により、ストレスを体が受けて、
このような結果になっていると考えられています。
あまりにも短い睡眠時間は体にとってのストレスとなり、認知症リスクを
上昇させる可能性もあるということです。
睡眠時間が短いと、脳が委縮する速度が上がり、認知機能もより低下すると
いう研究結果も出されています。そして睡眠時間が短い高齢者は、脳の老化が
早いという結論も出されているのです。
睡眠は認知症の原因アミロイドβを洗い流す
アミロイドβというたんぱく質が脳に蓄積していくことで、
アルツハイマー型認知症になることが知られていますが、アミロイドβなどの
脳の老廃物は、睡眠中に脳から排泄されていることがわかりました。
睡眠中は、脳脊髄液の流れがよくなるため、老廃物の排泄が促進するのです。
よく眠れている人ほどアミロイドβの脳への蓄積は少ないのです。
このような脳の自浄作用の時間が実は睡眠時間なのです。
あまりにも短時間しか眠らない人には、この自浄作用が十分に働かない可能性も
あるということです。睡眠時間は、六時間前後は確保しておくほうが無難です。
就寝二時間前は交感神経を刺激しない
睡眠の質を高めるには、眠る環境を整える必要があります。
枕や布団を工夫したり、明るすぎる照明を避けるようにしましょう。
また、自然に寝返りを打つことができる寝具のほうがよく、
体がぴったりとはまりこむようなあまりにやわらかいものは避けましょう。
起きたときにカラダが痛い、だるい、という場合は睡眠の環境が
適していないサインです。就寝時に交感神経が優位になると眠気を感じにくくなります。
就寝前に食事をしたり、テレビやパソコンを見るのは好ましくありません。
激しい運動も避けましょう。ストレッチ程度なら問題ありません。