50才からの炭水化物をやめる食事療法は、糖尿病が改善する として、とても有名になっています。炭水化物を50才から減らすことがなぜ有効なのか。 それは、糖質を過剰にしないという意味と間食の ほとんどが炭水化物なので、結局、間食しなくなるということです。
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炭水化物が減ると血糖値も下がる
間食のほとんどは炭水化物です。炭水化物を減らそうとすると間食は減ります。このことが血糖値を正常化させるので、多くの糖尿病が治り、そして、メタボが治って、ダイエットに成功するということです。この50才から炭水化物を減らす方法は、肉などの粗食の反対を食べても大丈夫だとしています。そのことは、粗食のしすぎで認知症がふえるという研究もあるので間違ってはいないといえるでしょう。しかし、肉類の食べすぎはガンの発生を促進するうえ、老化の促進の心配もあります。
炭水化物の中でも小麦を先に減らす
三十代から四十代までは、まだまだ炭水化物が多少は必要です。 特に二十代までは炭水化物を減らしすぎると有害です。それは、代謝の仕組みが50才ごろから変化することと関連しています。糖代謝を主体とする代謝システムが優位である若い人が 炭水化物断ちをするのは危険であり、大腸癌などの病気が 増加するリスクがあります。しかし50才以降の体はミトコンドリア代謝系がさかんなので 炭水化物を減らすことで、速やかなダイエットができるのです。いずれにしても果物や野菜、魚介類などをきちんととり、 炭水化物を減らすことが、アンチエイジングにもよいのです。
肉や脂肪に偏らず小麦を減らして米を食べる
玄米にはミネラルやビタミンが豊富で食物繊維も含まれ理想的な食べ物です。玄米食にして、小麦を減らし、小麦粉で作られた食材を減らすことが炭水化物を減らすうえでの注意点です。
極端な糖質制限ダイエットは、インターロイキン6を増やすことでかえって老化を促進し動脈硬化を促進し健康寿命を損なう弊害もあるため、極端になりすぎない工夫も必要です。健康長寿をめざすなら、極端な糖質制限はせず、温和なやり方が実践するほうが良いのです。マウスの実験では極端な糖質制限食は寿命を短縮してしまうリスクがあることが判明しているので注意が必要です。過ぎたるは及ばざるがごとし。
50歳を超えても30代に見える生き方
50歳を超えたら炭水化物を減らすことで、高血圧や糖尿病が改善することが知られてきていますが、そうした生活習慣病がない人やメタボになっていない人は、過度な炭水化物制限は不要であるケースも多いかもしれません。糖質制限食の492の医学論文の人間での経過を5年以上追跡して死亡率を解析しなおした結果、糖質を控える「糖質制限食」を5年以上続けると死亡率が高くなるとの解析結果が発表されています。国立国際医療研究センター病院の能登洋氏が米科学誌プロスワンに解析結果を掲載しました。ここでいう糖質制限食は「低炭水化物ダイエット」を指しています。炭水化物の制限は、短期的には減量や血糖値の改善につながることが明らかになっているものの、長期的な追跡調査のデータが不足していましたが、今回の解析結果は、炭水化物を過度に減らすこともまた一つのリスクであることを教えてくれます。
人生100年計画
また、50歳よりも若い人の場合には炭水化物を過度に減らしてはいけません。まだ糖代謝系が優位な体であるためです。しかし、メタボの人や、糖尿病、高血圧の人の場合は、食生活において、カロリーが過剰となり、間食が増えており、さらには一回に食べる総量もまた過剰になっているものです。したがって、このような状態にある人の場合は、50歳を過ぎれば炭水化物を大きく減らして、体のバランスの取り直しをするとよいでしょう。そして、標準体重に戻ったら、じょじょに炭水化物を食べる量をもとに戻してもいいのはないでしょうか。南雲吉則氏の本でも、食事の総量を減らすことが大切であり、何を食べてもあまり心配はないとの考え方も示されています。炭水化物を減らそうとすれば自然に食事の総量が減ることが、このダイエットの 効果の一つの原因なのであると思われます。