脳の中でも大脳辺縁系には、報酬系というシステムがあります。これは、ご褒美が得られるから、もっと頑張ろうという行動を生み出す原始的な働きです。簡単な作業をして小さな成功体験を得ると、うれしくなって、さらにやる気がでますが、これが報酬系の働きです。これを繰り返して、「快」をいくつも得ることで、報酬系の側坐核が刺激され、軽い興奮状態がおきてきます。すると脳が活性化して、覚醒度がさらに高まります。これが「作業興奮」と呼ばれるものです。この反応をおこすには、作業が簡単であるほうがおこりやすいです。机の上をきれいに片付けたり、身の回りを整理整頓したりするような簡単な作業から、脳の作業興奮が開始されるのです。こうした方法で感情をつかさどる大脳辺縁系をいい状態で活動させてから、大脳新皮質を活動させるとよいのです。
整理整頓で脳が活性化
つまり、思考や言語機能、知能を使います。このようにすると、記憶力がもっとも高まるのです。記憶を定着させるのは、入力と出力の繰り返しです。読んだり、聞いたりしてインプットしたら、それを自分で書き留めたり、音読して、出力をすることで、神経細胞のシナプスが強化されて、記憶が定着していきます。記憶力を高めるためにはまずカラダを動かして脳の血流をよくしておき、次に片付けや整頓などの簡単な作業を行って、第一次の作業興奮をつくりだし、それから、本格的な仕事や勉強にむかうのです。