脳に刺激を与えると若返る

40才以降の脳機能の維持と若返りのために大切なことは、自分の得意なカテゴリーの中で、活動の種類と空間をシフトさせることです。得意な分野にすることで、やる気のホルモンを分泌させて、脳を刺激し、その分野の中でも新しく取り組む種類や活動空間に取り組むことで、新しさという刺激を脳に送り込むことができます。料理な得意な人が、料理教室の先生になるとか、もともと語学が好きであるなら、これまでしていた英語に加えてラテン語の例文の暗記に取り組んでみるとか、好奇心をくすぐるような活動を開始することが脳を若返らせます。脳の構造は三層になっていて大脳新皮質、大脳辺縁系、脳幹に分かれています。そのうち、好き嫌いを扱うのは大脳辺縁系にある扁桃体です。扁桃体は好悪などの情動をつかさどる部位です。同じ大脳辺縁系には海馬があります。海馬は記憶の形成をつかさどります。

脳細胞死滅説は間違い

大脳辺縁系は、怒りや喜び、快感や不快感といった本能的な情動を生み出します。やる気や意欲にも関係しているのです 。大脳新皮質は思考や知能や言語をつかさどり、高次脳機能をあつかう場所です。脳幹は、基本的な生命活動を維持する部位です。いわゆるボケるというのは、脳細胞が損傷を受けているわけでもないのに、脳細胞のネットワークの機能が低下して、一部分が眠ったような状態をさします。脳細胞は、実は毎日10万個ずつ死滅しているわけではありません。  この10万個死滅説には根拠がないのです。それどころか、海馬では、成人後も脳細胞が新しく生まれていることが判明しているのです。自分のことは自分でする。日常生活で手足を動かして作業し、他人と会話する。これが一番のボケ予防なのです。

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