黄砂やPM2.5のアレルギー

花粉症も増えて、また、黄砂のアレルギーも増えています。鼻炎や目のかゆみ、皮膚のかゆみなど、アレルギー症状がでてきている人が増えています。目からも入ってくるので、予防効果のあるめがねをつけることをおすすめします。マスクは花粉や黄砂、PM2.5をしっかり防げる高性能なものを使うほうがいいでしょう。コンビニに並ぶ市販品では完全には防げないようです。

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目と鼻からの侵入を防ぐことで、症状が抑えられる

しかし、室内にいるとつい無防備になります。実は室内にも、有害微粒子が入ってきています。衣服についてくる花粉や、24時間換気によって外から吸い込まれるPM2.5などが、室内でもアレルギー症状を誘発します。アレルギー症状は、皮膚炎をおこしたり、かゆみが出たり、時には腹痛や下痢となって症状がでることもあります。原因不明のだるさ、倦怠感などがある人は、もしかしたら、花粉やPM2.5を吸い込んでいるのかもしれません。日本国内にかつて植林された杉の花粉が大きな原因ですが、ヒノキやブタクサやイネ科の花粉もあります。また、ハウスダストも症状の原因になります。これに対してPM2.5はほとんどが中国から飛んでくるものです。PM2.5は中国の国内が改まる可能性が低く、当分は改善されないと考えられているので、マスクや空気清浄機を使って、自分たちの健康を守る必要があります。硫酸塩をふくんだ発ガン物質であるので注意が必要です。室内では24時間換気を停止させて、外部の微粒子を引きこまない工夫が必要です。空気清浄機は作動させっぱなしにしないと、外出してなくても、アレルギー症状が出てしまいます。厚生労働省によると、花粉症患者は国民の約20%も存在しているそうです。これらのアレルギー体質の人は、その他のアレルギーの影響も受けやすいので、今、中国から飛来しているPM2.5などの化学物質にも悪影響を受けるケースが多いです。目や鼻、喉のかゆみなどの症状の原因が花粉なのかPM2.5なのか判然としないことも多々あります。鼻炎、だるさのため、仕事や勉強などに支障が出ることもしばしばです。自分が何のアレルギーなのか、アレルギー外来などで検査を受けることは有用です。スギだでなくイネ科やブタクサ、ハウスダストのアレルギーであったり、PM2.5に反応していたります。皮膚炎の症状が出ることもあります。

アレルギー検査は血液検査や皮膚へのパッチテストで

花粉症患者の3分の2は、日常生活を症状のため障害されます。抗アレルギー薬は今、薬局でも購入できるようになっています。『アレジオン』『アレグラ』がドラッグストアで入手できます。内服薬は花粉だけではなく、化学物質への反応も抑えるのでPM2.5や黄砂のアレルギーでも緩和されます。点眼薬でも抗アレルギー薬が含まれているものがあります。ザジテン(ケトチフェンフマル酸塩)などが市販されています。花粉症対策はセルフメディケーションで可能ですが、アレルギー検査は医療機関でないとできません。初めて花粉症にかかった人は本当に花粉症かどうか受診して調べましょう。PM2.5に反応している可能性も高いからです。また、市販薬を2週間以上飲んでも何も改善しない場合も医療機関での治療がおすすめです。もちろん外出に際してはマスクを使用して吸い込まないようにしましょう。室内にも花粉やPM2.5は侵入しますので、空気清浄機は常時使用しておくようにしましょう。また、住宅の24時間換気は、かえって有害物質を室内に引き込む場合がありますので、PM2.5の場合は特に停止しておくほうがいいでしょう。PM2.5はほとんどが中国から飛んでくるものです。中国の石炭を燃やす工場や、自動車の排ガスなどが、PM2.5となり、風にのって日本まで運ばれてきているのです。

激しい花粉症を抑えるには

観光地などに出かけて大量の花粉を吸い込んでしまうことがあります。衣服にも花粉やPM2.5が付着して、自宅まで持ち帰ってしまい、帰宅してから、くしゃみがとまらず、眼がカユミのために開けていられず、頭が痛くなったり、だるさのために何もできなくなることもあります。医療機関で処方してもらえる薬の中では、激しく重篤な症状にはセレスタミンやリンデロンといったステロイド成分を含有した薬を使うことがあります。ステロイド成分は、長期的に服用すると、副作用として胃腸障害や骨粗しょう症など、心配な副作用がありますが一日二日の服用であれば、すみやかに激しい炎症を解消してアレルギー症状を抑えることができます。花粉症のとまらないくしゃみ、水道のじゃぐちから流れるような鼻水などもセレスタミンやリンデロンの錠剤を飲めば、すみやかに改善します。ひどい症状の場合は医療機関に受診して、こうした内服薬を処方してもらうこともよい方法であると思います。医療機関の場合は、その後、アレグラやアレロック、アレジオン、ジルテックなどの抗アレルギー剤を処方され、安定したアレルギー反応のコントロールをします。一方、医療機関を使わない場合には、ドラッグストアにて、薬局漢方を処方してもらうといいでしょう。小青竜湯(しょうせいりゅうとう)や麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)などの漢方処方が薬局で入手できます。これらの漢方処方は元来は風邪の治療に使われているものですが、アレルギー性鼻炎にも応用されて効果をあげているものです。服用することですみやかに花粉症のくしゃみ、鼻水、などが改善します。アレルギー性結膜炎に効く目薬もドラッグストアで入手できます。

花粉症の最新治療法

医療機関で受けられる最新の花粉症治療の中で、飲み薬や点鼻薬によらない方法として四つの治療法が効果が高いことが知られています。その一つ目がレーザー治療です。鼻づまりに効果が高く、鼻がつまって呼吸が苦しくなる人にとっては、レーザー治療は健康保険で受けられ、外来での治療が可能なので、おすすめです。これは鼻づまりの強い人に特に有効であることがわかっている治療法で、部分麻酔をして、鼻の粘膜がある下鼻甲介にレーザーを照射します。炭酸ガスレーザーを使って、下鼻甲介の粘膜を焼くことで、粘膜は焼かれた状態になり、粘液の分泌がなくなって乾いてしまいます。焼かれた粘膜は腫れることがなくなるので、鼻づまりが解消されます。炭酸ガスレーザーは、水への吸収率が高く、鼻粘膜表層で大部分が吸収されるので、手術後の痛みが少ないです。治療は左右両方を一度に行います。治療後、一週間ほどは、鼻の中がひりひりしたり、鼻づまりがひどくなることもありますが、焼かれた部分にできたかさぶたがとれると、鼻づまりは解消します。しかしながら、効果は一過性で、ワンシーズンだけしか効きません。粘膜が再生してしまうからです。二つ目はソムノプラスティという治療法です。これは下鼻甲介に電極になる針を刺して、弱い高周波電流を流して熱を発生させて、周辺の細胞を凝固、壊死させるものです。凝固した組織は三週間から八週間で吸収され、肥大した下鼻甲介が縮小されることで、鼻づまりが解消される仕組みです。レーザー治療もソムノプラスティも、花粉に対するアレルギー反応そのものをなくすものではありません。これに対して、三つ目にあげるアレルゲン免疫療法は、根治療法だといえるものです。アレルゲン免疫療法は、花粉のエキスを皮下注射して体内に少しづつ入れていくことで、体を花粉に慣らして過剰な免疫反応が起こらないようにするのです。週に一回から二回の皮下注射からはじめ、次第に一ヵ月から二ヶ月に一回になります。花粉エキス濃度を次第に高くして、二年から三年この治療を続けることで80パーセントの人が症状が緩和されることがわかっています。四つ目にあげるのは舌下免疫療法です。これは、アレルゲン免疫療法のデメリットを解決した治療法です。アレルゲン免疫療法には副作用としてのアナフィラキシーショックの発現リスクがありました。このためサポート体制のある一部の医療機関でしか実施はできなかったのです。しかし舌下免疫療法の場合はこのリスクが少なくなるのです。この方法では口の中に花粉のエキスを落とします。それを体内に吸収させることで、同じ効果を引きだします。舌下免疫療法はまだ保険適応されていませんので自費診療になります。しかし70パーセントで症状の軽減または消失といった効果が得られているので、今後、保険適用されれば、花粉症の治癒率が大幅にアップすると期待されています。

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