十分に寝たはずなのに疲れが取れないのは脳疲労が原因かもしれません。睡眠負債とは睡眠不足の意味ですが、睡眠をとっても脳疲労が残るのは、DMNと呼ばれる脳の過活動が原因なのです。マインドフルネスの基本を身につけ、脳の過活動を緩和すると寝つきがよくなり、眠りの質が改善され、脳疲労が取れ、脳機能がアップするのです。
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DMN(デフォールト・モード・ネットワーク)の過活動
脳科学が進歩し、脳疲労の原因としてDMNの過活動があることが分かってきました。何かに集中していない時の脳の活動のことを指すDMNですが、このDMNは脳の60%から80%のエネルギーを使っていることがわかってきたのです。DMNは前頭前野、後帯状皮質、楔前部などの部位からなる脳回路であり、雑念回路とも呼ばれています。雑念が多いほど、DMNは過活動に陥っています。雑念を減らす方法であるマインドフルネスは、過活動の脳を落ち着かせ、脳疲労を解除してくれるのです。マインドフルネスに脳を落ち着かせる効果があり、それが脳疲労を取り除くのです。就寝前にマインドフルネス瞑想を行うと睡眠も改善することが分かっています。
睡眠障害も改善するマインドフルネス
マインドフルネス瞑想を毎日5分から20分続けるだけで、睡眠の質が改善することがわかっています。不眠症や、うつ症状も改善します。セロトニン分泌も増えるためです。誰でもできる簡単なマインドフルネス瞑想は、呼吸を意識して数えるというものです。心の中で数を数えながら呼吸をするのです。「いーち」と数えながら吸って吐き、「にー」と数えながら吸って吐く、これで10まで行って、また1に戻るというのが簡単なやり方です。行うときは、背筋を伸ばし、目を軽く閉じて、楽な姿勢をとります。入浴の時に湯船で行うのも良い方法です。そして、背中や足の裏や腕や腰や下腹部など、体のいろいろな部分に注意を向けてみましょう。最終的には丹田と呼ばれるへその下三センチのあたりに意識を集中させながら、呼吸を数えることを繰り返します。
マインドフルネスが雑念回路「DMN」の過活動を鎮静化
DMNは何もしていない時に活性化します。脳の大脳辺縁系にあるDMNは、雑念が浮かんでいる時に活性化し、脳の消費エネルギーの六割から八割まで消費しているといわれています。DMNが過活動していると、脳疲労が起こります。マインドフルネス瞑想を練習していると、脳は過活動が抑えられ、脳疲労が少なくなるのです。マインドフルネスの練習を重ねると、集中力や記憶力が向上し、ストレスが減少。さらには寝つきがよくなり熟睡できるようになります。免疫機能も向上して、肌荒れが治ったり、肩こり、頭痛、冷え性などが解消される事例もあります。呼吸に意識を向けるという簡単な手法で雑念回路DMNをコントロールできるのです。呼吸の数え方は、手法によりさまざまです。1から10まで数えながら吸い、10拍、息を止め、また10拍で吐ききるというやり方もあります。この時も丹田に意識を集中して行いましょう。