脳疲労を解消する水琴の音

水が水をたたくと音が生じます。江戸時代に水琴窟と呼ばれる大きな陶器のかめを庭に置いて、そこに落ちる水の音を楽しむという風習が生まれました。この水琴の音は、脳波をα派優位に導き、深いリラックス効果をもたらすことがわかっています。α波を誘導する音楽と比較しても、水琴のほうがα波が広範囲に出現するのです。毎日、水琴の音を聞いていると、イライラが改善したり、不眠が解消したり、パニック障害が軽減してパニック発作が出にくくなったり、自律神経失調症からのさまざまな不定愁訴が解消するといった効果が現れてくることがわかってきました。高血圧が改善して血圧が下がったという人やお通じがよくなったという人もいます。水琴の音は脳に働きかけ、脳疲労や脳の過剰な緊張を癒し、本来の健全な肉体の状態に回復させていると考えられます。脳のアンチエイジングにも水琴の音はおおいに役立つのです。

水琴の音で心身の不調が改善

水琴の音の周波数は、高周波であり、倍音のひびきを持ちます。倍音とは元の音の持つ周波数をそのまま整数倍した音であり、自然が生み出す和音なのです。水滴がつくりだす「ゆらぎ」は、機械のつくる完全に同じ間隔のデジタル音とは違い、自律神経を整える働きがあるのです。水琴の音は植物にも効果があり、観葉植物や植木の生育が良くなります。長崎県のハウステンボスにある「健康と美の王国」の中のヒーリングラウンジでは、ヘッドフォンから流れる水琴の音を聴いて心身を癒す設備が稼動しています。イタリアの聖フランチェスコ大聖堂にも水琴が設置されているそうです。癒しのα波をつくりだす水琴の音を聴いてみませんか。


ゆほびか 2015年 09 月号

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