記憶力は何歳からでもよみがえる

認知症は記憶する能力の阻害によって発見されることが多いです。昔のことはよく覚えているのに、最近のことは忘れるというのが、短期記憶の障害ですが、それがどんどん進んでくると、認知症の疑いを持たれます。脳のMRIで、脳梗塞がたくさんできていれば、脳血管性認知症。脳の委縮が海馬周辺で目立てば、アルツハイマー型認知症。どちらも記憶力の低下がありますが、アルツハイマーは特に顕著です。しかし、こうした疾患がないのであれば、記憶力は高齢化してからでもトレーニングすると向上します。つまり筋力と同じ感覚で、記憶力もトレーニングできるのです。かつては脳細胞は二十歳すぎるとどんどん死滅するといわれて、記憶力も低下の一方といわれましたが、最近の研究ではそんなことがないと判明しています。

脳に限界はない

神経シナプスの形成は高齢になってもしっかりと維持されているので、記憶力に関しては、その機能を使っている限り、低下は抑制できるのです。六十歳を過ぎてから辞書を一冊まるまる記憶した人の話をききますが、それは十分に誰でも可能なことなのです。これは渡部昇一さんのことですが。上智大学名誉教授の渡部昇一さんです。この方は84歳を過ぎておられますが、評論家として現在も活躍されています。ですから、歳をとっても勉強したほうが良いのです。音読したり、書いたり、いろいろな方法でものを覚えるべきです。それがトレーニングなのです。歳をとってから英語やフランス語を勉強することはよいことなのです。気持ちで「あきらめる」のがいちばんよくないですね。

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