脳の寿命は120年で海馬は80代でも成長できる

オランダで115歳で亡くなった女性の脳を解剖したところ、脳機能は、
ほとんど劣化せず健康であったことが報告されました。
この女性は死の直前まで健康であったのです。加齢により身体は衰えるが脳は、
ほとんど衰えないということが次第にわかってきたのです。
特に海馬は、70代でも80代でも成長させられる記憶の中枢であることが
いまや明らかになっているのです。

目次 [hide]

海馬は見たり聞いたりした情報を一時保管し大脳皮質に送る

わたしたちが見聞きした情報は海馬に保管されますがここは一時保管するだけです。
その保管した情報は寝ている間に整理され、必要なものが大脳皮質に送られます。
眠っている時にリップル波という脳波が出て情報を大脳皮質に送っているようです。

記憶された情報は三か月から二年ぐらいは海馬の中に保管されています。
その期間中は海馬から取り出せば思い出せるのです。しかし、少しずつ、
それらの情報が大脳皮質にコピーされ、海馬の中にあったものは消去されます。

この仕組みがあるので覚えたばかりの時期は記憶再生に海馬を使い、
時間が経過すると、大脳皮質を記憶再生の時に、使うようになります。

海馬は情報をふるいにかけ必要なものだけを大脳皮質に保存

海馬が情報選別をする基準は、その情報の使用頻度です。
何度も本を読めば覚えるというのではなく、その内容を何度も、
人に話したり教えることで海馬はその情報を重要情報だと認識するのです。

入力よりも出力が重要なのです。覚えたらそれを人に話す。日記に書き出す。
ブログに書いてまとめる。勉強も記憶したものをチェックする作業が重要です。
海馬と大脳皮質の連携をとるには、インプットとアウトプットの両方が大事なのです。

海馬の発達には個人差があり左脳海馬の発達が遅れると非定型発達に

海馬は左脳と右脳にそれぞれあります。時間の経過を追って記憶していく仕組みは、
海馬とその周辺がつかさどり、右脳の海馬は非言語系の情報を担当します。
そして、成長度合いが遅れやすいのはほとんど左脳の海馬であることがわかっています。

左脳の海馬の成長に送れがあると、人間の個性が生じるのではないかともいわれています。
左脳海馬の発達の遅れは非定型発達の原因になりやすいとされています。
いわゆる発達障害やADHDやアスペルガー症候群というのも、左脳海馬の発達の度合いと
関連があるともいわれているのです。


認知症をよせつけない60歳からの脳革命

あわせて読みたい関連記事: