健康長寿するには、島根県の人々の食生活が参考になります。世界では、サルデーニャ島の暮らしです。これは地中海に浮かぶ小島ですが、人口に占める100才以上の割合が高く、地中海料理が健康長寿に良いという話の根拠にもされています。日本では、10万人あたりの100才以上の率が五年連続で第一位になっているのが島根県です。全国では6万7800人を超える100才以上の高齢者がいる日本ですが、百寿者率を計算すると、全国平均は53人ですが島根県は97人と全国でトップです。
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島根県の高齢者の特徴は筋骨隆々
島根県の高齢者には健康な人が多いのですが、その最大の理由は、高齢になっても農業にかかわる人が多く、家庭菜園などの畑仕事で、身体活動を維持し、日光も浴びるので、ビタミンDが皮下で作られます。すると、骨粗しょう症予防になり、認知症予防になり、免疫力もあがるのです。土に触れることで、精神的な面でも好影響があります。坂道や階段を上がり降りすることで筋肉も自然とつき、骨も丈夫になるのです。都会の高齢者の暮らしでは、コンビニで食べ物を買って、家でテレビですから、まさに運動不足は寿命を短くしているのです。
社会とのつながりがしっかりと残る島根県
島根県では、全員参加型の地域のコミュニティがしっかりと残っています。農作業や害獣対策など、高齢者が参加して社会とかかわります。この結果、体が動く限りは働くという人も多く、健康寿命も延びるのです。一般に65才以上では20%が加齢性筋肉減少症になります。サルコペニアと呼ばれています。島根県ではサルコペニアは5パーセントぐらいしかいないのです。日常生活の中での筋トレが自然にできる生活環境だということです。
島根県では魚介類を多く食べ、イノシシ肉やエゴマを摂る
健康寿命が長い島根県民は、魚介類を多く食べるので、DHAやEPAなどの血管の老化を防ぐ成分が豊富に摂る生活をしています。スズキ、うなぎ、ワカサギ、シジミ、シラウオなどをよく食べているのです。また、全国でもシジミの消費量が一番多いことも有名です。シジミには肝臓の解毒作用を高めるタウリンやオルニチンが豊富です。イノシシ肉をよく食べることも特徴です。イノシシ肉は、低脂肪で良質なたんぱく質であり、亜鉛などの栄養素も豊富で、動脈硬化予防に有益なカルノシンが含まれています。エゴマ油の消費が多いことも注目されています。エゴマはオメガ3脂肪酸が豊富で動脈硬化を予防し、アルツハイマーの予防にも効果があるといわれています。
雲南体操で腰痛とひざ痛を緩和
島根県といえば出雲市や松江市が有名ですが、隣接する雲南市では、「身体教育医学研究所うんなん」というシンクタンクにより、雲南体操が指導されています。島根県では腰痛に悩む人が多かったそうですが、この体操で痛みを緩和することで運動量を落とすことなく、生活できるのです。腰痛の人にはひざを抱える体操を指導、膝痛には、脚上げ運動で大腿部の筋肉を鍛えます。腰痛の人によい膝を抱える体操は、膝を抱えて胸の中央に引き寄せて10秒間保つ簡単な運動です。膝痛の人によい体操は、片足を五秒あげてとめ、ゆっくりと下ろす運動です。簡単な運動ですが、介護予防を目的に広く普及しているのです。
高齢者の骨折予防には筋トレが最も重要
高齢者が健康長寿するために肝心なことは、筋力の維持にあるのです。若返り、アンチエイジングの鍵を握るのは、ホルモン分泌の維持にあります。退職したら、とたんに老け込む人がいますが、これは、第一には運動不足から起こります。有酸素運動と筋力訓練とストレッチ運動の三つを生活の中に取り入れることで、若返りホルモンであるDHEAが分泌されていきます。
骨折を防止するためにも高齢者ほど筋トレが必要
骨折してから一気にダメになるケースが多いので骨折予防のためにも筋トレは必要なのです。筋肉を鍛えると骨粗しょう症が改善し、骨が丈夫になります。日光にあたりビタミンDを増やすことも大切です。日にあたらない人はサプリメントでビタミンDを補充しましょう。また、EPAやDHAを摂取するように心がけることで、痩せるホルモンとしても知られる小腸のGLP-1が分泌されます。GLP-1は、糖尿病を予防する重要な働きがあります。インスリン分泌を向上し、体が太らないようにする働きもあります。
お腹やせ、若返り、アンチエイジングの鍵
歩くことの重要性も知られてきました。一日三回10分間歩くことを週に四回以上行えば良いのです。食後に数分ほど道を歩くだけでもアンチエイジングに大きな効果があるのです。スポーツジム、フィットネスジムのようなトレーニングルームも役立つことでしょう。運動をすることは高齢者には必須です。高齢者とまでいかなくても40代を過ぎれば、運動は日課にすべきで、ヨガでもラジオ体操でもよいので、とにかく体を動かすことです。デスクワークの人には絶対に必要です。
運動のメリットは若返り効果
トレーニングのための施設を利用して、筋肉を鍛えて、有酸素運動をして、ストレッチをすれば、アンチエイジングして、筋力をつけて、転んだりすることなく、寝たきりになることなく、健康を維持して、悠々自適の暮らしを満喫できることでしょう。また、EPAやDHAをしっかりと摂取するためにはサバなどの青魚をとりましょう。魚がきらいな人は、サプリメントでもいいでしょう。健康で長生きできることは、すべての人の願いでありますが、その鍵を握るのは、内分泌のバランス維持であり、それは筋肉を鍛えることで実現するのです。EPAをとるのに、サバ缶を食べるのも良い方法です。EPAやDHAを十分に補えない場合はサプリメントから補充してもよいでしょう。EPAとDHAは認知症を予防する効果もあります。動脈硬化を予防するので脳梗塞や心筋梗塞も予防できるのです。禁煙することや酒を控えることはもちろんですが、それに加えて筋トレ、そして食事の工夫です。