花粉症や風邪、認知症の予防にもビタミンD

花粉症のように春季や秋季に季節性に悪化する鼻炎や結膜炎などのアレルギー症状に対して、通年性のアレルギーも存在しています。花粉症などは何年か経過するうちに通年性アレルギー性鼻炎なっていくこともあります。その場合には、アレルギー検査では、スギやヒノキやイネ科植物だけではなく、ハウスダストやダニ、ネコやイヌの毛にも反応するようになっていることも多いです。

通年性のアレルギーとビタミンD

また、アレルギー性皮膚炎も慢性化すると通年性になります。慢性湿疹、慢性皮膚掻痒症になるのです。この場合もハウスダストやダニ、それから、食品の中の化学物質、添加物、農薬などに反応して、症状を悪化させるようにもなっていきます。こうした慢性化したアレルギーには、花粉症と同様、抗アレルギー剤が処方されるのが一般的です。しかし、このような症例であっても、ビタミンDの慢性欠乏がその背景にあることが多いようです。したがって、ビタミンDの補充はあわせて行うことが理想的です。日光にあたると皮下で合成されるのがビタミンDです。ビタミンDをサプリメントで補うことを併用するだけで、症状そのものが軽快してきて緩和されることが多いとの報告もあり、これまで飲み続けていた抗アレルギー剤をやめても大丈夫になることもあるようです。いかにビタミンDの不足が慢性化していたかということです。その不足分が補われることで、免疫反応の乱れが補正されて、過剰なアレルギー反応がなくなるということです。ビタミンD補充で風邪やインフルエンザにもかかりにくくなるとの研究報告もあり、日常生活に必須のサプリメントであると考えてよいでしょう。日本では4000IU/日までの摂取という厚労省が出した基準がありますが、欧米ではもっとこの上限値はもっと高めに設定されています。

ビタミンD欠乏と過剰

ビタミンD3の前駆物質は、日光にあたることで皮膚で合成されます。7-デヒドロコレステロールからビタミンD3に異性化という過程を経て光化学的に合成されます。ビタミンD結合タンパクにより肝臓まで運ばれたビタミンD3はそこで、25(OH)D3に転化されます。そして腸肝循環を通ることで腸で再吸収され、さらに腎臓で水酸化されて、代謝活性が高い1,25(OH)2D3となります。これが活性型ビタミンDです。食事から摂取されたビタミンDも、同じように、肝臓で25(OH)D3になり、 腎臓で活性型ビタミンDとなります。病院で骨粗しょう症の患者さんなどに処方される医薬品のビタミンD製剤はすべてこの活性型であり、市販のサプリメントは天然型です。つまり活性型ではないものです。副作用の面から安全なのは天然型です。医薬品のほうは医師の経過観察や血液検査などを定期的に必要としますのでご注意ください。偏食をしている人や、日光にあたることのない人は、ビタミンD欠乏状態になっている可能性が高いです。本格的な欠乏状態になると、くる病や手足のしびれ、痙攣などもおこりますが、その一歩手前の状態では免疫機能が低下することで、直腸ガンや糖尿病になりやすくなることがわかっています。また、免疫機能が低下することでアレルギー疾患や膠原病などの免疫システムの異常から発生する疾患にかかりやすくなるのです。風邪をひきやすくなることも多いです。ビタミンD欠乏症は低出生体重児に起こりやすいことが知られてきましたが、現代人の多くは大人でも日光浴の不足から慢性的な軽い欠乏状態になっている人が多いと考えられています。

ビタミンD過剰はどんな時に生じるか

日光浴のときに、効果的なのは、手のひらを太陽に向けて、30分ぐらい過ごすことといわれています。 手のひらはメラニン色素が少なく、ビタミンDを光化学的に合成しやすいといわれているのです。また、ビタミンDの欠乏状態が続くことで肥満になりやすいことも判明しています。サプリメントでビタミンDを補うことは良い方法ですが、そのとき、注意していく必要があることは、医療機関で処方されるような活性型ビタミンD製剤は、過剰症のリスクがあるのでやめておくほうがいいという点です。活性型ビタミンDの過剰投与で高Ca血症を生じるリスクがあるのです。したがって、活性型ではない天然型のビタミンDのサプリメントが安心なのです。市販品はすべて天然型であり、活性型というのは日本では医薬品にしかありません。ビタミンDを食品から摂取するのはたいへんです。ビタミンDを含む食品にはウナギ、サンマ、サケ、イワシなどの魚類、キノコなどが知られていますが大量に食べないと食事だけでは必要量が補えません。日光に十分にあたることができない人は、サプリメントでの補充がのぞましいのです。過剰投与の毒性については、小児では40000IUを毎日投与すれば、1~4ヶ月以内に過剰による毒性が出ます。成人なら数ヶ月間、100000IUを毎日投与すると毒性が出ます。つまり4万とか10万IUといった単位で副作用の問題が生じるわけです。しかし、これだけの量をサプリで摂取することは考えにくいことです。アメリカで多いのは5000IUの錠剤や2000IUの錠剤であり、日本のドラッグストアにあるのは1000IUの製品がほとんどです。そして、毎日2000IU程度の摂取では、過剰症の心配はありません。ちなみに毒性の症状は食欲不振・悪心・嘔吐、多尿・多飲症・脱力・神経過敏・かゆみが生じる といった症状が出現します。

ビタミンD欠乏で認知症になる可能性

平均年齢80歳の中国人高齢者1,200人で検討した研究が学会報告されています。それによると、ビタミンDには神経保護作用があるということです。ビタミンDはアレルギー症状の緩和だけではなく、脳機能にも深くかかわっているのです。欧米の複数の前向き研究ですでにこのことは指摘されてきています。ビタミンDが欠乏したままでいると、やがて認知機能低下や認知機能障害が起こるとの指摘があります。認知症を予防するためにも日光浴やビタミンD補充が大切だということです。欧米での研究ばかりではありません。アジア人の高齢者でも同じような結果が出ています。シンガポールでの研究ですが、中国人高齢者約1,200人で調査をした結果、血液内のビタミンD値が低い人ほど、認知機能障害リスクが2~3倍高いことが判明しました。認知症の予防のためには、ビタミンDの補充は必須といえそうです。第26回日本疫学会学術総会(2016年1月21~23日)で発表されています。ビタミンDが血中で低いほど、認知機能障害が増えているということです。対象は平均年齢80歳という集団で二年の追跡をしています。認知機能は中国版Mini-Mental State Examination(MMSE)で評価しています。サプリメントで補わない場合は、日光浴を増やして対処するほかありません。しかし、太陽光の強さには季節による差異もあります。天候も一定ではありません。日光に当たることが減りビタミンDが低下するとコロナやインフルエンザにかかりやすくなることもわかってきています。コロナを怖れる人にとっても、ビタミンD補充は重要となります。

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