認知症予防の奇跡の成分スペルミジン

認知症予防と長寿に重要な役割を果たしているスペルミジンという成分に注目が集まっています。納豆や味噌、豆類などに含まれ、学習機能や記憶力を高めるという内容が、「オートファジー」という学術雑誌などにも研究成果が報告されている脳アンチエイジング成分です。日本の伝統食に脳機能改善、認知症予防の効果があったとは驚きです。

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スペルミジンは学習能力と記憶力を高め認知症を防ぐ

スペルミジンが豊富に含まれている食材である納豆を毎日食べると、記憶力や学習能力が高められ、認知症の予防にもつながるという研究報告はすでに数多く出されています。スペルミジンは、脳細胞や体細胞のオートファジー機能(自浄の作用)を活性化させるMAPISという物質を増やすことで細胞のゴミを掃除してくれるのです。アルツハイマー型認知症は脳内に老廃物βアミロイドたんぱくが蓄積して進行しますから、オートファジーの活性化は、その予防になるということです。また、スペルミジンは、炎症を抑える働きがあり、血管の炎症を抑えて、動脈硬化を予防するのに役立っています。動脈硬化は、脳梗塞や心筋梗塞をひきおこします。脳内に多発性微小脳梗塞(ラクナ脳梗塞)が増えると、脳血管性認知症になりやすいといわれていますが、スペルミジンは脳血管性の認知症にも予防の働きを発揮しているのです。

認知症を予防するだけでなく、老化そのものを遅らせるスペルミジン

スペルミジンはもともと人間の精液中から大量に発見された成分ですが、納豆や味噌、漬物、ナチュラルチーズなどの発酵食品に豊富に含まれていて、食事から簡単に摂ることができる成分なのです。スペルミジンを投与された実験用のマウスはその寿命が25%も延びたそうです。スペルミジンは、人間の腸内でも合成される成分で、ビフィズス菌やアルギニンには、腸内でスペルミジンを合成させる作用があります。マウスにビフィズス菌とアルギニンを投与すると、マウスの学習能力、記憶力が向上したとの研究報告も出ています。アルギニンは肉類やエビなどに豊富に含まれています。ビフィズス菌はさまざまな種類がありますが、ヨーグルトや漬物に豊富です。サプリメントによらずとも、日常の食材で補えるというのは魅力ですね。

スペルミジンは細胞をきれいにしてがんを予防する

脳の神経細胞は、学習や記憶をつかさどりますが、そこに老廃物がたまると機能は低下します。オートファジーを活性化するスペルミジンは、脳の細胞をきれいにして認知症を予防するのです。そして動脈硬化を予防して「老年病」そのものを防ぎます。内部にゴミが増えてきた細胞は、がんや腫瘍になるリスクが高いですが、スペルミジンはそのリスクを減らし、寿命を延ばしてくれるのです。スペルミジンは、納豆にもっとも多く含まれていることがわかっていますが、同じ納豆の中でも、「ひきわり納豆」は、発酵する表面積が広いため、より多くのスペルミジンを含有し、同じ量でも、おおよそ1.5倍近く多めに摂ることができます。そのほか味噌、大豆製品、豆類には豊富です。キノコ類、ブロッコリーやピーマンにも多いです。漬物では、しば漬けやぬか漬けに多く含まれています。脳のアンチエイジングには、ひきわり納豆を毎日食べることが最良かもしれません。

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